今季3度目の総合ポールから優勝なるか。上昇ムードに乗りたいポルシェセンター岡崎 911 GT3R

 9月3日、栃木県のモビリティリゾートもてぎでENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第5戦『もてぎスーパー耐久 5Hours Race』の公式予選が行われ、ST-Xクラスの16号車ポルシェセンター岡崎 911 GT3R(永井宏明/上村優太/伊藤大輔)が総合ポールポジションを獲得した。

 スーパー耐久の予選はAドライバーとBドライバーが記録したベストタイムの合算で決勝のグリッドが決定する。ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rが参戦するST-Xクラスは、Aドライバーにジェントルマンドライバーの起用が義務付けられており、そのなかで毎戦のように速さをみせているのがスーパーGT GT300クラスでも活躍する永井だ。

 永井は今季の第1戦鈴鹿、第3戦SUGO、第4戦オートポリスのAドライバー予選でいずれも最速タイムを記録し、参戦を見送った第2戦富士24時間以外のAドライバー予選をトップで終えている。その永井は今回の第5戦のAドライバー予選も1分53秒878というタイムを記録し、2番手を0.605秒引き離して予選を終えた。

「(アタックは)全部を決めきれなかったところもあり、タイム的にはちょっと不満足なんですけど、クルマは乗りやすくなっているので一番を獲ることができてよかったです」と予選を振り返った永井。

 そんなAドライバー予選から「永井選手がコンマ6秒ほど引き離した状態で僕のBドライバー予選だったので、大きなことがない限りポールポジションはいけるという気持ちはありました」という思いでステアリングを引き継いだのが上村だ。

「とはいえ、やはりBドライバー予選のなかでもトップで終えたいという気持ちもありましたけど、惜しくも2番手に終わってしまいました。ですがポールポジションを獲ることはできました」

Bドライバー予選終了後、マシンから降りてガッツポーズする上村優太(ポルシェセンター岡崎 911 GT3R)

 スーパー耐久で今季も速さを披露する永井と上村のふたり。両者は以前からコンビを組んで多くのレースに参戦しており、スーパー耐久では参戦を開始した2020年第2戦SUGOからパートナーとしてポルシェのステアリングを握り、2022年にはGTワールドチャレンジ・アジアのジャパンカップにもコンビを組んで出場している。

 さらに、今回のスーパー耐久第5戦の前週に開催されたスーパーGT第5戦鈴鹿では30号車apr GR86 GTをドライブするはずだった永井が「体調不良」で欠場となってしまい、急きょ代役として上村が第3ドライバーを務め、そのレースで30号車に今季初の表彰台をもたらしたというエピソードもある。

 永井にそのときのことを聞くと「体調をうまく合わすことができず欠場となってしまいました。自分としては残念でした」とレーシングドライバーの悔しさを表したものの、チーム全体として結果を残すことができたことには笑顔をみせた。

「だけど、クルマとチームが表彰台に乗ってくれたのでよかったと思います。僕と織戸(学)さん、エンジニアの人たちでクルマを作ってきましたけど、そのクルマが結果を出してくれたことは本当に嬉しいです」

 永井がそう語ると、横にいた上村も「スーパーGTで表彰台に上がるということはなかなかできないことです。僕にとってもすごく記憶に残るいいレースでしたし、素直に嬉しかったです」とそのときの喜びを語った。

 そんなコンビネーションの良さと予選での速さを披露する16号車のふたり。しかし、今シーズンのスーパー耐久では5戦中3戦で総合ポールポジションを獲得しているが、第1戦ではトップ浮上後にバックマーカーに追突、第3戦、第4戦でも首位争いを繰り広げたものの、いまだに勝ち星はない。

 スーパー“耐久”という名のとおり、明日行われる決勝も5時間の長丁場。レースは何が起こるかわからないが、永井は「ゴールまで一番のまま走ることができればいいなと思っています」と控えめに語るも、上村は「明日はいい位置からスタートすることができますし、今シーズンはまだ勝てていないので、何が何でも勝ちたいと思います。頑張ります!」と意気込みをみせた。

2022スーパー耐久第5戦もてぎ ポルシェセンター岡崎 911 GT3R(永井宏明/上村優太/伊藤大輔)

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