【こりゃ、なんでぇ岡山】ドラム缶橋(倉敷市玉島) 映画「とんび」で注目

新堀川に架かるドラム缶橋。地元のシンボルとして親しまれている=倉敷市玉島

 人がやっとすれ違える幅しかない浮き橋が話題になったのは、今年の春以降のことだ。4月に封切りされた映画「とんび」で俳優・阿部寛さん演じる主人公が自転車で走り抜けるシーンが登場し、撮影スポットを巡るファンの間で注目された。

 通称「ドラム缶橋」があるのは倉敷市玉島地区の通町商店街北側。新堀川を南北に横切る長さ約50メートルの橋だ。乾電池のように直列につないだドラム缶3個の浮き島を35列並べ、鉄板を渡している。揺れはほとんどない。

 商店街がにぎわった昭和40年代から50年代。川の対岸の駐車場から商店街へ行くには、離れた場所にある橋を経由するしかなかった。商店主たちが市に相談して橋が架かったのは1980(昭和55)年。地元商店会の別所美治会長(64)は「安価でできるからドラム缶になったのでしょう」と話す。

 今も買い物や散歩に利用される商店街のシンボル。「玉島の名所として残したいね」と別所会長は願う。

 アクセスメモ JR新倉敷駅から車で南へ約10分。山陽自動車道玉島ICからも南へ約15分。車の場合は近くの市営駐車場を利用する。

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