「もてぎの秋の作品展」9日から開催 岐阜の彫刻家に焦点

天野さんの作品を前に語り合う松崎代表(右)と板谷さん

 【茂木】町ゆかりのクリエーターでつくる茂木作家協会は「2022もてぎの秋の作品展『森に蠢(うごめ)く』」を、9日からふみの森もてぎで開催する。今年は陶芸、絵画、版画、木漆工芸の各分野の地元作家11人の近作に加え、岐阜県の彫刻家天野裕夫(あまのひろお)さん(68)を招待し、木とブロンズによる独創的な作品に焦点を当てる。19日まで。

 天野さんは、制作拠点にする出身地の岐阜県瑞浪市大湫(おおくて)町の神社のご神木だった大杉(推定樹齢1300年、2020年倒木)の杉材と、ブロンズを融合させた作品など約20点を展示する。自然物と人工物を組み合わせ、生気に満ちた不思議な生き物を表現する。緻密な木目の大木の存在感とブロンズの造形の妙を味わえる。

 同展を企画する映像カメラマン板谷秀彰(いたやひであき)さんが、各地の巨樹を取り上げたNHKの番組制作の取材過程で2年ほど前に知り合い、出品交渉して実現した。

 天野さんは都内で活動後に故郷に移り、地域の心のよりどころだった倒れたご神木を巨大な彫刻作品によみがえらせるプロジェクトに地域と取り組んでいる。

 同協会の松崎融(まつざきとおる)代表と板谷さんは「天野さんは都会で活躍し、故郷に戻って力になっている。茂木でもモデルにできるような人」と展示に期待している。

 天野さんは13日午後と14日午前に在廊。

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