水際対策緩和 長崎の観光業者の反応は? 「回復時間かかる」冷静な声も

 政府が新型コロナウイルスの水際対策を緩和した7日、長崎県内の観光関係者は「コロナ禍前に戻るのには時間がかかる」と冷静な受け止めをする一方、今後のインバウンドや観光消費の回復に期待を示した。
 長崎市の観光名所、大浦天主堂やグラバー園に続く坂道でカステラを販売する「清風堂」の今田健介店長(47)は「にぎわいが完全に戻るにはまだ長くかかる」と冷静に見ている。
 今田店長によると、国内観光客は新型コロナ禍前と比べ5割ほどに回復してきたが、訪日外国人観光客は入国手続きが再開された6月以降、いまだにほとんどおらず、「土日の通りは静か」という。
 7日下見に訪れた韓国の旅行会社からは「10月以降、訪日客が思っているよりも増える」と聞き、「その言葉を信じたい」と期待をにじませた。今後の感染状況も不安だが、10月から例年増加する修学旅行客と西九州新幹線の開業に重なって訪日客も増えることで「坂全体が少しずつにぎわってくれれば」と話した。
 佐世保市のハウステンボスの担当者は「観光は東京、大阪から回復していくと思う。海外から来やすくなる。今後、さらに緩和が進み、観光の回復が広がっていくことに期待する」と語った。
 一方、雲仙市の雲仙温泉街の旅館関係者は「外国人客受け入れは収入面で助かる」と前置きしつつも訪日ツアー客への期待は高くない。「ツアーの外国人客は集まって騒がしかったり、日本の食事や温泉入浴のマナーを理解せず、日本人客が迷惑するケースがある。旅行会社側が事前に宿泊マナーを伝えてほしい」と注文する。


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