秋めく棚田 黄金色の稲穂たなびく 美咲・大垪和西地区で収穫期

美咲町大垪和西地区で稲刈りが進む棚田

 農林水産省の「つなぐ棚田遺産」の一つ、岡山県美咲町大垪和西地区で稲刈りが進んでいる。黄金色に実った稲穂を刈り取る農機の音が山あいに響き、秋の気配を漂わせている。

 標高約400メートルの同地区は、すり鉢状の斜面49.7ヘクタールに大小およそ750枚の棚田が連なる。計19枚(約2ヘクタール)を作付けする井口和恵さん(62)=同町=は9日、知人の大倉弘昌さん(81)=同町=と協力して作業。5月上旬に田植えした「あきたこまち」をコンバインで収穫していった。機械が入りにくい場所は鎌で刈り取った。

 「3月から6月にかけて雨が少なく心配したが、無事に収穫期を迎えられた。おいしいコメを皆さんの口に届けたい」と井口さん。

 今年は多くの棚田で収穫の始まりが予定されていた9月初めに台風接近の予報を受け、8月末からに繰り上げて作業する農家が目立った。大垪和西地区の稲刈りは、10月上旬まで続く見込み。

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