通園バスの安全 岡山県が実態調査 所管36園 静岡の置き去り死受け

岡山県庁

 静岡県牧之原市の認定こども園で通園バスに置き去りにされた3歳女児が死亡した事件を受け、岡山県が県内のこども園や幼稚園への実態調査に乗り出したことが、9日分かった。所管する36施設を対象にバスの運行状況や安全管理態勢を調べる。県内には市町村の所管を含めて700施設以上あるが、県が率先することで市町村の取り組みを後押しする狙いもあるとみられる。

 調査では通園バスの台数や利用している園児数といった基本的なデータに加え、安全を確保するための運行マニュアルの整備状況、マニュアルがない場合の対応などを書面で尋ねる。8日付で各施設に送付した。

 事件を巡っては、岸田文雄首相が9日、通園バスを所有する全国の施設への一斉点検を指示。県の調査はこれに先駆けた格好で、総務学事課は「現状を詳細に把握し、園児の送迎時の安全を確保するとともに、必要に応じて追加の対策も検討する」としている。

 県によると、県内では4月現在、県と市町村の所管を合わせて764の保育園、幼稚園、認定こども園などがある。

 女児は5日、約5時間にわたって車内に置き去りにされたとみられ、搬送先の病院で死亡した。

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