「なぜここを会場に」沖縄の選手もがっかり とちぎ国体、水質悪化で前日に競技中止

緑色に染まった会場の水面を見て驚き、写真に残す沖縄県の選手と監督=10日午前、市貝町塩田

 第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」会期前競技のオープンウオータースイミング(OWS)が水質悪化で中止になった市貝町の塩田調整池特設会場には10日、出場予定だった他県選手や、来年以降の国体開催県関係者などが訪れ、中止を惜しんだ。沖縄県の選手団はアオコで緑色に染まった水面を見て「とても泳げない。何か方法はなかったのか」と驚きと落胆の表情を見せた。

 沖縄県代表の3人はこの日午前、会場を訪れた。アオコが特にひどい箇所の水面を揺らすと、緑のペンキのような水が跳ね上がった。代表の高橋碧海(たかはしあくあ)(17)、増田明菜(ますだあきな)(15)両選手は「気持ち悪いね」「ここまでひどいと思わなかった。泳げといわれても泳げない」と驚いた様子だった。

 前日の水質検査で「毒性はない」とされたが、とても泳げそうに見えない。山城勇将(やましろゆうすけ)監督(34)は「何しに来たか分からない。残念というしかない。8月末から状況は分かっていたと聞いた。どうにかならなかったか」と表情を曇らせた。海で2回の合宿を経て今季この大会だけに懸けた努力が無駄になった。

 来年以降に国体を開催する各県関係者も参考にしようと次々に足を運んだ。

 2026年開催の青森県準備室の福田克佳(ふくだかつよし)さんは「準備の規模や仮設設備の状況だけ見て帰る。でもなんでここを会場にしてしまったのか」と首をかしげた。

 本県代表伊原大翔(いはらひろと)選手(15)の祖父母の塩谷町飯岡、会社員小林国浩(こばやしくにひろ)さん(60)、友子(ともこ)さん(59)夫婦も会場を訪れた。「楽しみにしていた。孫が活躍する姿を見たかった」と諦めきれないといった様子だった。

緑色に染まった会場の水面を見て驚き、写真に残す沖縄県の選手と監督=10日午前、市貝町塩田

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