長崎の景気4カ月連続据え置き 個人消費は引き下げ 日銀長崎支店

 日銀長崎支店は9日、8~9月の長崎県内金融経済概況を発表した。景気全体は「緩やかに持ち直している」として、4カ月連続で判断を据え置いた。
 個人消費は「全体として持ち直しの動きが続いている」が、「一部に足踏み感がみられている」として7カ月ぶりに判断を引き下げた。新型コロナウイルス感染症の影響で飲食を中心に客足の回復が鈍化しているという。観光は「持ち直している」。
 公共投資は、西九州新幹線開業に向けて高水準で推移していたが、「弱めの動きとなっている」と3カ月ぶりに下方修正。設備投資は、長崎駅周辺再開発や長崎市幸町で進む「長崎スタジアムシティプロジェクト」などを背景に、「大型案件が寄与して大幅に増加している」と1年2カ月ぶりに引き上げた。鴛海健起支店長は、新幹線開業に伴う投資が「民間へとバトンタッチしている」との見方を示した。
 先行きについては、感染症の和らぎや新幹線開業効果への期待の一方、原材料コスト・エネルギー価格上昇や為替円安の動きなどを背景に「企業収益の下振れリスクに注視する必要がある」とした。

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