東彼川棚町長選に初当選 波戸勇則さん(58)「住民第一 ボトムアップで」

波戸勇則氏

 〈任期満了に伴う11日投開票の東彼川棚町長選で3期12年の実績がある現職との一騎打ちを制した。目指す町長像などを聞いた〉

 -選挙戦を通じて感じたことは。
 例えば町政報告会では、家族で外食するにも(衣類などの)買い物をするにも町外に出かけなければならないと、生活に根差した疑問が寄せられた。新たに支持してくれた方も多く「町に進展がない」「若い人の声を反映して」と激励をいただいた。有権者の「変えたい」という思いが一番だった。

 -地域の情報発信力を上げると訴えた。
 自らPR役になるが、1人の力には限りがあり、専門職員を置く。情報は受け手に届いて初めて生かされる。会員制サイトで積極的に発信されている町民もおり、協力して効果的に発信できれば。まちづくりには情報収集力も必要。アンテナを高くし企業誘致に積極的に取り組む。

 -目指す町長像は。
 選挙戦で「皆さまの声を聞き、町政に反映していく」と訴えた。最終判断は町長が行うが、トップダウンではなく、住民第一のボトムアップを目指す。町民の声とともに、町民と接する現場職員から上がってくる声も大切にしたい。町の将来像について町民と語り合う機会もつくりたい。

 -公約実現へ財源は。
 町の事業や財政状況をあらためて見直したり、町単独でなく国や県の事業で活用できるものがないか精査したりして財源をつくりたい。ふるさと納税の寄付額もお隣の波佐見、東彼杵両町に後れを取っている。発信力の強化や魅力ある返礼品の開発も欠かせない。

 -県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムについて地元町長としての考えは。
 計画に反対されている予定地のみなさんも川棚町民。話を聞くことが第一と思う。治水面でダムは必要と考えており、大石賢吾知事とも事業について話し合いたい。

 【略歴】はと・いさのり 川棚町出身。久留米大商学部卒。2003年にUターン。家業を継ぎ保育の道に入る。11年から町議3期。座右の銘は学生時代の弓道で培った「平常心」。こども園では「理事長先生」と呼ばれており、「子どもたちから笑顔と元気とやすらぎをもらっている」。


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