全国高校サッカー選手権県予選前企画(4) 大分上野丘 守備は安定、遅攻と速攻のバランスがカギを握る

3年生にとって最後の大会となる「第101回全国高校サッカー選手権」の県予選トーナメントが、来月8日に開幕する。今年の県内の高校サッカーシーンの総決算となる大一番は見逃せない。ここではシード4校とともに、前大会覇者や注目校を紹介する。

大分上野丘のサッカースタイル

守備重視 ○●○○○ 攻撃重視

サイド攻撃 ○●○○○ 中央突破

リトリート ○●○○○ プレッシング

カウンター ○○●○○ ポゼッション

※リトリート・・・相手にボールを奪われたらすぐに自陣に戻り、守備ブロックを形成して守る戦術

6月の県高校総体で4強入りしたチームは3年生がほぼ引退し、新チームに移行した。元々、2年生が主力としてチームを形成していたチームではあるが、やはり3年生の抜けた穴は大きい。島畑欣史監督は「穴埋めは1年生が担うが、フィジカルの部分で大きな差がある」と頭を悩ませる。

夏休みは基礎体力の向上に重点を置き、追い込んだ。けが人が多く、無理強いをできないこともあったが、一夏を越えてたくましくなった。1年生は先発メンバーに名を連ねるまでになった。中学時代にクラブに所属していた選手が多く、足下の技術は高いため、自陣でしっかりブロックを作っても、ボールを奪ってからパスをつないで相手ゴール前まで運ぶことができる。ただ、相手が守備ブロックを形成する前に攻めるのは難しい。

遅攻と速攻の使い分けが課題となる

カウンターとポゼッションのバランスが課題となるが、唯一の3年生となるFW柳井遼平が前線のターゲットとなり、ボールを収めることができれば課題は改善できそう。島畑監督は「体を張り、ポストマンとして味方が攻め上がる時間をつくれる選手。コンディションが上がれば攻撃の起点となる」と期待する。柳井を軸に中盤の中山比呂(2年)や伸び盛りの1年生・安東慎平らが攻撃に絡むことができれば得点力は増す。

守備はGK児玉和也(同)を中心に堅守を誇る。県高校総体でも僅差の勝利をものにし勝ち上がった実績がある。無失点もしくは最少失点に抑え、攻撃陣の一発に期待したいところ。チームの浮沈のカギを握る柳井は「自分は得点に絡む仕事でしかチームの勝利に貢献できないと思っている。3年生の意地を見せたい」と闘志を燃やす。

1、2年生中心のチームだが伸びしろは大きい

(柚野真也)

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