全国高校サッカー選手権県予選前企画(5) 大分工業 決勝で負けた悔しさを力に、ノーシードから頂点目指す

3年生にとって最後の大会となる「第101回全国高校サッカー選手権」の県予選トーナメントが、来月8日に開幕する。今年の県内の高校サッカーシーンの総決算となる大一番は見逃せない。ここではシード4校とともに、前大会覇者や注目校を紹介する。

大分工業のサッカースタイル

守備重視 ○○○●○ 攻撃重視

サイド攻撃 ●○○○○ 中央突破

リトリート ○○○●○ プレッシング

カウンター ○○○●○ ポゼッション

※リトリート・・・相手にボールを奪われたらすぐに自陣に戻り、守備ブロックを形成して守る戦術

昨年の全国高校サッカー選手権県予選では決勝まで勝ち上がり、あと一歩のところで優勝を逃した。ピッチで耐え難い悔しさを経験した選手が3年生となり、現チームの中核となった。今大会はノーシードから頂点を目指す。

ここまでの公式大会は、2月の県新人大会は新型コロナウイルス感染により辞退。6月の県高校総体でも体調不良者が多く、3回戦敗退と不完全燃焼で終わった。それでも年間を通して試合がある「高円宮杯JFA U-18リーグ(OFAリーグ)」は、首位の大分と勝ち点差2で2位と好調を維持しており、力があることを証明している。

守備は粘り強くなった

夏休みは県外遠征を多く組み、実力のある強豪校と練習試合を重ねた。MF工藤渓(3年)は「自分たちの時間帯が来るまで、我慢強く戦えるようになった」と成長を実感。先制点を許しても崩れることなく、逆転勝ちすることも多かったという。友成義朗監督も「全国レベルのチームと互角に対戦できるようになったことで選手は自信がついた」と手応えを感じている。

パスをつなぎ、相手のバランスを崩し、サイドを主体に攻撃を仕掛けるスタイルは変わらない。友成監督は「隙を見せず、最後まで集中して戦えるメンバーがピッチに立てる」と選手選考基準を明確にし、チーム内の競争意識をあおる。大会までに中盤の構成を見直し、ベストメンバーを送り出すつもりだ。工藤は「決勝で負けた悔しさを晴らすのは優勝しかない。全試合で他チームを圧倒したい」とチームの思いを語った。

思うような結果は出てないが、周囲の評価は高い

(柚野真也)

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