初の「足利狂言」に子どもたち笑顔 野村万作・萬斎さんが熱演

「釣針」の太郎冠者を演じる萬斎さん(左)

 【足利】人間国宝の狂言師野村万作(のむらまんさく)さんと萬斎(まんさい)さんが出演する「第1回足利狂言」の公演が19日、朝倉町のあしかがフラワーパークプラザで開かれた。

 市みどりと文化・スポーツ財団が主催。能楽と関わりの深い源姓足利氏ゆかりの街として、市内では1968年から小中学生を対象とした芸術教室、85年からは鑁阿(ばんな)寺で足利薪能が、いずれも万作さんらの協力を得るなどして開催されてきた。

 しかし足利薪能は2019年を最後に主催の実行委員会が解散。子どもたちへの伝統芸能の普及、狂言の楽しさを伝えたいと、同財団が野村さん父子の協力を得て、年1回の公演開催を目指して新たに足利狂言を企画した。

 舞台では万作さんらによる「船渡聟(ふなわたしむこ)」と、萬斎さんらによる「釣(つり)針」が演じられ、満席の会場からは子どもたちの笑い声も聞かれた。

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