平和の大切さや反戦を誓う市民ミュージカル「未来へつなぐ『私の願い』」が23日、小田原三の丸ホール(小田原市本町)で行われた。生前に反戦運動に携わった俳優宝田明さんの遺志を継ぎ、俳優仲間や戦争体験者、市民合唱団が歌と音楽を通じて「戦争を止めるのは私たち一人一人の力」と訴えた。
宝田さんと親交があった俳優沢木順さんが司会を務め、約100人の市民合唱団と俳優らが宝田さんが作詞した「私の願い」など約20曲を披露した。
終戦当日に12人が亡くなり「最後の空襲」とされる小田原空襲の写真もステージに映され、戦争経験者2人も登壇して体験を語った。東京大空襲を経験し、疎開先の二宮町でも機銃掃射による空襲を受けた石川信雄さん(91)は「B29が油を落としてから焼夷弾を放った。真夜中でも真っ赤に町が明るく燃え、戦後も夕焼けを見るとつらい気持ちになった。国の命令で人々が死んでいくことほど無残なことはない」と訴えた。