ウインターカップ県予選特集 バスケットボール男子(1) 夏冬の全国大会連続出場を目指す柳ケ浦

1次予選を終えた全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の県予選は大詰めを迎える。10月29日から始まる2次予選には前大会優勝校や全国高校総体出場校が登場し、見応えのある好試合が展開されそうだ。ここでは男女シード校をピックアップするとともに、各校の戦力分析をお届けする。

第1シードの柳ケ浦は、全国高校総体ではベスト16入りした。しかし、チームに満足した様子はなく、「8強入りを逃した」と悔やむ声が多い。中村誠監督は「もう一度、チームをつくり直す」とメンバー選考を含め、ポジションのコンバートなどに取り組み、全国で上位を目指すチームを再建している。

中学の頃から実績のある1年生が頭角を現し、ポジション争いは激化。下級生に負けてなるものかと2年生の目の色が変わり、練習から競い合う姿が見られる。3年生は進路が明確になり、最後の大会に向けて集中できる環境が整った。キャプテンの湊陵雅(3年)は「緊張感のある練習ができ、チームの雰囲気は良い」と手応えを感じている。

強化してきた守備は、オールコートやハーフコートのゾーンプレス、マンツーマンなど数種類のパターンがある。週末は県外の強豪校と練習試合を組み、完成度を高めている。中村監督は「ディフェンスはある程度のレベルまで達したが、突き詰めなければ全国では勝てない。これからはチーム内でのコミュニケーションを図り、細部の共有が重要になる。オフェンスは1対1で点が取れているので、3年生の爆発力に期待している」と、最後は3年生の勝ちたい思い、意地が勝負を左右すると話す。

過去に夏の全国総体、冬のウインターカップと、連続で全国大会に出場したのは一度だけ。まずは出場権を獲得し、メインコートに立てるベスト8を目指す。

雰囲気良く練習に取り組めている

戦力分析

オフェンス力…8点

ディフェンス力…9点

リバウンド力…8点

シュート力…9点

3点シュート力…8点

高さ…8点

(10点満点)

最高点に達する項目はないが、中村監督の「まだまだ鍛えなければいけない。一つでも多く10点になれるように力を付けたい」との言葉にもあるように、伸びしろと高いポテンシャルの証し。伝統のディフェンスは健在で、全員に走力があり、ハードワークができる。数種類のパターンを戦況に応じて使い分け、平面の守備には絶対の自信を持っている。そこに留学生の高さが加わったことで、相手の2次攻撃を食い止めることできるようになった。

攻撃は仲宗根州河(3年)と津波知新(同)の個人技が中心で、シューターの福山侭(同)は3点シュートが決まり出すと止まらない。個々の能力の高さは、全国高校総体で実証済み。3年生がチームを引っ張るが、これまで遠慮がちだった1年生が試合を重ねる度に力を発揮できるようになり、選手層は厚みを増した。

チームの浮沈のカギを握る3年生

(柚野真也)

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