栃木県内初の珠算「名人」に 全国13人目 宇都宮の赤羽根さん

「名人位」の認定を受けた赤羽根さん

 全国珠算学校連盟による最高称号の「名人位」に、栃木県宇都宮市上田原町、会社員赤羽根歩実(あかばねあゆみ)さん(20)が、栃木県内で初めて認定された。珠算と暗算の技能検定試験で、いずれも満点での十段取得が必須の条件。全国でもわずか13人目という快挙に赤羽根さんは「やっと受かった」と笑顔が弾けた。

 赤羽根さんが高根沢町のそろばん塾「ニックスクール」(横須賀長次(よこすかちょうじ)塾長)光陽台教室でそろばんを始めたのは、5歳のとき。珠算の先生をしている母の奈緒(なお)さん(44)と、先に習っていた姉から影響を受けた。

 幼少期は県珠算競技大会の部門別で優勝を重ねた後、小学6年と中学1年時に関東珠算競技大会団体の部を連覇。高校時代も県商工会珠算大会に参加し、一般を含めた第1部個人総合で優勝している。

 全国珠算学校連盟主催の暗算十段を取得したのは2016年5月。今年7月末に珠算十段(かけ算、割り算、見取り算、伝票)にも満点で合格した。

 赤羽根さんは「(ここ数年は)珠算のかけ算問題で1問ミスが続いていた」と振り返る。かけ算問題は10分の制限時間内に、6桁と5桁を掛ける計算など全40問を解いて、答えを筆記する。1題15秒以内で解くスピードと、正確な記述が求められるという。

 珠算十段の試験対策に、今年4月からはさらに力を入れた。勤務後、同教室に週5日以上足を運び、そろばんを弾く速度と正確性の両立に磨きをかけた。

 先月認定証も届き、念願の名人位の称号をつかんだ赤羽根さんは「忍耐、計算、集中力がつく珠算は、仕事でも私生活でも役立っている」と話している。

 

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