余第一位が先勝 村川九段破る 関西棋院第一位決定戦3番勝負

第1局を制し、村川九段と勝負を振り返る余第一位(右)=大阪・関西棋院

 囲碁の山陽新聞杯第66期関西棋院第一位決定戦(山陽新聞社主催)の3番勝負が29日、大阪市の同棋院で開幕した。第1局は6連覇を目指す余正麒第一位(27)が、挑戦者の村川大介九段(31)に154手で白番中押し勝ちした。

 関西棋院を代表する両強豪が3番勝負を戦うのは、2020年の第64期以来2年ぶり。余第一位が防衛すれば、故橋本昌二九段(第14~18期)と並んでいる最多連覇記録を更新する。一方の村川九段は12年ぶり2度目のタイトルを目指す。この日の対局前までの対戦成績は、余第一位から見て13勝7敗。

 第1局は余第一位が序盤、左下で積極的に攻めて主導権を握し、中央でも石の厚みをつくってポイントを稼いだ。村川九段も右辺で自陣を広げつつ反撃機をうかがったが、余第一位が冷静な打ち回しで左辺一帯を制圧。リードを守って押し切った。持ち時間は各3時間で、残りは余第一位34分、村川九段1分だった。

 余第一位は「ずっと難しい碁で、最後に左下を制してようやく勝ちを意識できた。第2局も全力で頑張りたい」。村川九段は「しのぎが難しく、あっけなく終わってしまった。もう少し内容を良くできるよう次までに準備したい」と話した。

 第2局は10月17日、同棋院で打たれる。

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