ウインターカップ県予選特集 バスケットボール女子(1) 新たな守備スタイルを確立して連覇を目指す大分

今夏の全国高校総体では、体調不良の主力選手が試合に出場できず、1回戦で敗退した大分。不完全燃焼に終わったが、「行き先はハッキリした」と楠本哲二監督。2年連続で全国高校選手権大会(ウインターカップ)に出場し、全国で勝つことが目標となった。

高さのないチームは、課題だった守備とリバウンドを強化した。圧力をかけ続けるゾーンプレスに取り組み、「相手の長所を消し、相手に余裕を与えない、考えさせないディフェンス」を合言葉に共通認識を高めた。キャプテンの岐津桜華(3年)は「相手や試合の状況に応じてディフェンスを変えることができるようになった。走り負けない走力も高まっている」と手応えを感じている。夏休みには大学との強化合宿を組んで対等に渡り合い、仕上がりはいい。

攻撃はポイントガードの梶西未知(同)が全権を担い、味方がノーマークでシュートを打てるように、ドリブルやパスで相手に的を絞らせない。中高一貫校なのでコンビネーションには阿吽(あうん)の呼吸があり、互いの長所を引き出せる。「県予選までにコンディションを万全にし、ウインターカップでは過去最高のプレーをしたい。そのためには県予選で負けるわけにはいかない」と梶西。「6年間」の集大成の思いが強い。

3年生は昨年から主力として試合に出ていた選手がほとんどで、経験値があり、総合力も高い。ウインターカップ県予選では優勝候補の筆頭だが、「試合の入り方を大事にしたい」(岐津)と、初戦から試合の主導権を握って手がたく勝利を積み重ねるつもりだ。チームに慢心はなく、隙は見当たらない。

戦力分析

オフェンス力…9点

ディフェンス力…7点

リバウンド力…7点

シュート力…10点

3点シュート力…6点

高さ…6点

(10点満点)

攻撃は梶西から始まり、呼応するように周りの選手が動き、パスを合わせる。1対1の技術が高く、どのポジションからも得点ができる。ポイントゲッターの緒方梨乃(2年)は全国高校総体で20点以上をマークし、多彩な形から得点できることを証明した。チーム全体の3点シュートの成功率が高くはないが、長尾夢良(3年)らシューターが勢いに乗れば、得点力はさらに増すだろう。

課題の守備は圧力をかけ続け、そこから速攻を絡めることができるようになった。背の高い選手が少ないため、ゴール下を重点に守るゾーンディフェンスの形は5パターンを使い分ける。「本音は走り勝ちたいが、しっかり試合を作って、確実に勝利を手にすることが重要」と楠本監督。2度目のウインターカップ出場に向けて、県予選では新たな守備スタイルに挑戦しながら勝利を目指す。

(柚野真也)

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