【静岡断水】「高齢者は自分で水を取りに行けない」いまだ復旧進まない山間部…必要な物資も得られず

静岡県静岡市清水区の大規模な断水で最も遅い復旧になるのが、山間部にある和田島ブロックです。高齢者にどう必要な支援を届けるのか、地域特有の課題が突きつけられています。

<和田啓記者>

「見るも無残な姿になっているのは和田島ブロックで断水が続いている原因の水管橋です。もともと、水を通す管はここに繋がっていましたが、濁流で押し流されて落下、水管橋ごと移動してしまいました」

川にかかる橋脚には流木や壊れた水管橋が流れ着いています。山間部に位置する和田島ブロック約4500世帯は断水したままです。

9月30日、仮設の水道管を設置する工事が本格化し、この直径40cmの管を橋の上に延長していくということです。

<業者>

「1時間でも1日でも早く水が流れるように頑張ってやるしかない」

庭でお湯を沸かしている人がいました。

<住民>

「お風呂のお湯に使うために。飲める水じゃないので山の水なので」

断水が続く約1週間、湯船につかることができていません。2時間かけて家族分のお湯を沸かし、体をふいています。

<住民>

「大変です。山の上から(水を)もらっているが、バケツで100往復しないと洗濯もできない」

山間部ゆえに、難しい課題も。

<民生委員と住民>

「今どうしてますお水?」

「お水出ないもんね、まだ6本ある」

住民は高齢者が多く、遠くの拠点施設まで物資を取りに行けないのです。

<1人暮らしの80代男性>

Q.ご自身で取りに行くことはできない?

「できない。足悪くて腰も悪い」

民生委員が個別に訪問してカバーしますが、把握しきれないといいます。

<民生委員と住民>

「もう1ケースくらいほしいですよね」

「みんなほしいからね」

<民生委員>

「高齢者が水を取りに行けない、頼る人がいない。運ぶ人がいない。若い人は取りに行けるがいけない人は大変だとつくづく思う。困っている人に物が届くといいなとそれだけ」

必要な支援物資はある。しかし、必要な人に届けることが難しいのが現実です。和田島ブロックの断水の完全復旧は10月5日がめど。最も遅い断水解消となりますが、それまできめ細かいケアが大切です。

© 静岡放送株式会社