長崎ヴェルカ きょうB2開幕戦 熊本とアウェー2連戦「100%の力で挑む」

 バスケットボール男子のBリーグ2部(B2)は9月30日に開幕。来年4月23日まで約7カ月間のレギュラーシーズンと、その後のプレーオフで熱戦を繰り広げる。昨季、参入1年目で3部(B3)を制して昇格してきた西地区の長崎ヴェルカは10月1、2日、アウェー熊本との第1節に臨む。

■ 継続と進化

 昨季の1試合平均得点はB1~B3で唯一の100点超えとなる101.4点。5人全員が3点シュートラインの外に立ち、ゴール下を空けた状態から多彩な攻撃を仕掛ける「ファイブアウト」が土台にあり、従来のポジションに縛られない。3点シュートの1試合平均試投数はリーグトップの34.5本、平均成功数も唯一10本超をマークするなど、誰もが積極的に打っていく。
 スピードも魅力の一つで、シュートに持ち込むまでの平均時間は約10秒。速ければミスも出やすいが、狩俣、山本のガード陣を中心に精度が高い。そこにギブス、ボンズの外国人らのパワーも絡み合って大量得点を演出。逆に相手には簡単にゴールへ運ばせず、素早く強度の高い守備で重圧をかけ続けていく。
 今季もそのスタイルを踏襲した上で、前田監督は「より高いスタンダードを設定する。数値化できるところはさらに上を目指す」と言い切る。昨季から残った選手たちに継続と進化を求めながら、新メンバー3人を加えて攻守両面のバリエーションを増やしている。

■ 高さ加わる

 注目は昨季、川崎でB1トップの平均スチール数を記録した身長204センチのアギラール。元スペイン代表で、前田監督は「バスケIQが高いと私が言うのがおこがましいくらい、高いレベルで経験をしてきた選手。こちらが学ぶことも多い」と期待する。本人もこれまでの所属チームとは異なるプレースタイルに「すごく好き。チームの目標が僕の目標」と意欲を示している。
 リーグ最低レベルだった平均身長をアギラールとともにカバーするのは、日本人で202センチのウィタカ。どんな相手にも力負けしないフィジカルに加え、外角での動きを克服してプレーの幅が広がっていけば、ボンズやギブスらの起用法も充実しそうだ。前所属先の熊本との開幕戦へ向けて「初戦でつまずけない。100%の力で挑んでアピールしたい」と闘志を燃やしている。
 「最大の強みは得点能力」と自負するのはヘディング。出身はオーストラリアだが、国籍がフィリピンのアジア特別枠選手で、コート上の外国人選手2枠にカウントされない。昨季までプレーした台湾リーグでは1試合40得点超えも記録。9月10日のB1滋賀とのプレシーズンマッチも、勝負どころで3点シュートを決めるなど、責任感や度胸も十分だ。

■ わくわくを

 昨季からのメンバーを含め、練習中のコミュニケーションや終了後に積極的に意見交換する様子も目立つ。熊本戦後の第2節はホーム開幕戦。チアリーディングをはじめ、会場の演出面にも磨きをかけた。チーム創設当初から強調している「わくわくを届ける」ヴェルカが、昨季以上のパフォーマンスを見せてくれることは間違いなさそうだ。
 司令塔の狩俣は「頼もしいチームメートがそろって楽しみ。昨季よりも素晴らしいバスケットができるんじゃないかとすごく期待している。しっかり試合の中で表現したい」とティップオフを心待ちにしている。


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