諫早駅ー雲仙・小浜間に定額タクシー 地元9社、新幹線開業で需要掘り起こし

専用乗降場を知らせる標柱=諫早駅東口

 西九州新幹線開業に合わせ、諫早、雲仙両市内のタクシー会社計9社が諫早駅-雲仙・小浜間で定額タクシーの運行を始めた。タクシー需要を掘り起こすとともに、新幹線開業との相乗効果で交流人口の拡大を図る。
 諫早市タクシー協会加盟の全6社、雲仙市小浜町に営業所がある全3社が参加。事前予約制で、運賃(1台分の片道)は諫早駅-小浜地区間が8千円(通常は8600円~)、同駅-雲仙地区間(小浜温泉を通るルート)が1万千円(同1万1800円~)の定額(深夜早朝は割り増し)。利用者にとっては運賃が通常より割安で、分かりやすいといったメリットがある。
 乗降場は同駅が東口公共交通広場内の専用場所、雲仙・小浜はそれぞれの地区の指定エリア内。同駅東口には標柱が設置され、市タクシー協会は「小浜だと4人で乗れば1人2千円。駅から宿泊先まで『ドアツードア』で行けるタクシーを利用してもらい、交流人口の拡大につなげたい」としている。
 期待の声は雲仙市内の宿泊業者からも聞かれる。雲仙温泉街の雲仙旅館ホテル組合長で、雲仙福田屋の福田努社長(58)は「旅先での車の運転を不安に思う人たちにとって、タクシーの定額の安心感は大きいはず。特に家族連れなら割安感も増す。雲仙温泉街は高額の宿が増えているので、今後は富裕層のタクシー需要も伸びると期待している」と歓迎している。


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