後瀬山城の防御は一色氏を意識し西側重視 福井県小浜市、探索会で30人が遺構見学

小浜市職員から説明を受ける参加者=10月9日、福井県小浜市の後瀬山城跡

 福井県小浜市の後瀬山城跡の探索会が10月9日、開かれた。市職員の解説で本丸や二の丸跡などを巡り、県内外から参加した歴史愛好家など約30人が、戦国時代の山城に思いをはせた。

 後瀬山城は1522年に若狭守護武田元光が築き、約80年にわたり歴代国主の居城となった。探索会は、築城500年を記念して市などが行う事業の一環で、「ふくい城巡りプロジェクト」実行委員会と「小浜市の歴史と文化を守る市民の会」が共催した。

 参加者は2グループに分かれ、同会事務局の市文化交流課の西島伸彦さんらがガイドを務めた。本丸跡までの道中、防御のための堀切や曲輪群といった遺構を見学。西島さんは「防御策は西側に多く見られ、若狭武田氏が争っていた丹後一色氏を意識したと考えられる」と解説した。

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 二の丸跡では、山城には珍しく築山があったことを紹介し「かつて庭があり、茶や歌をたしなむ場所だった」と説明。参加者は築山の名残や山からの景色を眺めながら、当時の城の様子を想像していた。

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