井原鉄道総社駅 改札周辺を一新 テナントスペースと憩いの場に

駅長室を改装した店舗部分。4時間単位でレンタルできる

 井原鉄道総社駅(総社市駅前)の改札周辺が、テナントスペースと憩いの場「ADORIBA(アドリバ)」としてリニューアルされた。テナントの運営は、誰でも短期間の出店ができるポップアップストア(期間限定店舗)方式を採用。駅を核としたにぎわい創出につなげるとともに、地域に新たな事業を生み出す場としても活用する。

 井原鉄道は同駅を2010年4月に無人化した。駅には長年、JR側も含めて売店がない状態が続いており、市内のまちづくり会社「縁社屋」が、元駅長室を販売店舗として貸し出すアイデアを発案。2022年度の市の市民提案型事業に採択され、準備を進めていた。

 テナントスペース(15平方メートル)は4時間ごとの時間貸しで、1枠2500円。現在2団体が利用し、このうち市内の弁当店は、月、水、木、金曜日の帰宅ラッシュを迎える午後3~7時を中心に弁当やおむすび、サンドイッチなどを販売している。

 改札周辺の待合スペースは、憩いの場と位置付けて一新した。県立大建築学科の畠和宏助教がデザイン。ベンチや外装に県産のスギ材をふんだんに使い、木のぬくもりを感じられる空間に仕上げた。ベンチは上から見ると同鉄道のロゴマークになっており、中心の木のオブジェは枝に井原線各駅の名称が刻まれている。

 縁社屋の安達勝利代表は「今まで寂しかった市の顔である駅が新しい形に変わった。応援してほしい」と話している。出店の問い合わせは縁社屋(090―6419―1402)。

木材をふんだんに使い、イメージを一新した井原鉄道総社駅の「ADORIBA」

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