女性の美じわり 巨匠の近代洋画 県立美術館「岡田三郎助展」中盤

きめ細かな肌が目を引く「裸婦」など岡田作品を堪能する入場者

 岡山県立美術館(岡山市北区天神町)で開催中の特別展「岡田三郎助と佐賀ゆかりの美術」は会期中盤。13日も美術ファンらが訪れ、近代洋画の巨匠岡田三郎助(1869~1939年)らの絵画を中心とした佐賀県立美術館・博物館の優品約120点を堪能していた。

 佐賀県出身で東京美術学校(現東京芸術大)教授を務めた岡田は、繊細な筆致と上品な色調に定評があり、女性像を得意とした。憂いを帯びた和装の「婦人像」、きめ細かな肌が目を引く「裸婦」など、会場には画業をたどる22点が並ぶ。

 このほか、岡田と共に洋画団体白馬会を創設した黒田清輝から、細密なペン描写で現代アート界を席巻する池田学まで多彩な表現がそろう。帰省中に立ち寄った女性(70)=愛知県豊田市=は「岡田の女性像は、表情やしぐさから芯の強さが伝わってきた。奥深く、じわっとくる美しさが魅力的」と話した。

 山陽新聞社共催。11月6日まで。月曜休館。

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