建て替え迫る国立劇場で鼓打とう 矢掛出身望月さん 希望者募り練習

鼓の音の出し方を説明する望月さん(手前右)=9月24日、矢掛町矢掛

 伝統芸能の殿堂・国立劇場(東京都)で鼓を打ちませんか―。岡山県矢掛町小田地区出身で囃子(はやし)奏者の望月太津友(たつとも)さん=岡山市北区=が理事長を務める全国組織「千人鼓の会」は、来年7月2日に予定する同劇場での公演に向け、一般の演奏希望者を町内外から募り、同町で練習を開始した。劇場は老朽化による建て替えに伴い、公演の4カ月後に半世紀を超す歴史にいったん幕を閉じるとあり「この機会に、未経験者も参加してほしい」と呼びかけている。

 2019年に大人数で鼓を奏で、ギネス世界記録にも認定された「千人鼓の会」。望月さんは、日本の伝統芸能の拠点として歴史を紡いできた建物の閉場に合わせ「地方文化応援プログラム」と銘打ち、同会主催の公演を企画した。

 出身の矢掛町や近隣からも参加者を募り国立劇場を目指そうと、9月24日に第1回の練習を町内で行った。初回は同町や井原、笠岡市から参加した男女8人に、鼓の構えや音の出し方、演奏の約束事など説明した。同町の女性(68)は「なかなか難しいが、音が出ると楽しい」と話していた。

 来夏の公演では、2024年の町合併70周年を前に、東京で「矢掛」をPRしようと大名行列も舞台で再現する予定。望月さんは「国立劇場で演奏できる貴重な機会。日本の伝統文化を肌身で体験してみては」とする。

 参加者は現在も募集している。練習は観光施設「矢掛ビジターセンター問屋(といや)」(矢掛)を会場に、毎月第4土曜日午後4時から行う。次回は10月22日。

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