覚悟のスパートで観客魅了 トゥーンスが大集団スプリント制し連覇【動画】

連覇を果たし拳を突き上げゴールするトレック・セガフレードのトゥーンス(中央)=宇都宮市大通り周回コース

 自転車ロードレースの国際レース「2022ジャパンカップ」第2日は15日、宇都宮市大通り周回特設コース(1周2.25キロ×15周=33.75キロ)でクリテリウムが行われ、エドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード)が大集団でのゴールスプリントを制し41分14秒で2連覇を飾った。

 フィニッシュラインに飛び込んだエドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード)が勝利を確信し、左拳を高く掲げる。「チームの中で自分が勝たないといけない」。2連覇への覚悟を宿した両脚でペダルを踏み抜いた。

 序盤からメイン集団をトレックがコントロール。全5人のメンバーで隊列をつくり、逃げる選手を吸収し続けたが、各チームのエース格の度重なるアタックに体力を削られた。

 隊列が崩れかけた状態となり、残り1周回に突入。先頭で堪えるアシスト役のはるか後方から、残り300メートルで猛然とスパートを仕掛け、タイヤ半個分ほどの差で2位のアクセル・ザングル(コフィディス)を上回った。勝因には「良いチーム」を挙げ「少しの運かな」と続ける。表彰台の上で屈託なく笑った。

 生まれ故郷は、自転車競技が盛んなベルギーのフランドル地方。3年ぶりの凱旋(がいせん)レースに肌で感じたのは「地元のフランダースのような盛り上がり」。宇都宮市中心部、目抜き通りの熱気も力に変えた。

 ゴール直後のインタビューでは強くマイクを握った。引退セレモニーをした別府史之(べっぷふみゆき)に対し「彼に何度も助けてもらった」。前回優勝時、アシストを受けた元チームメートに敬意を込めた。仲間思いな31歳。他を圧倒するスプリント力と、その人柄でも大観衆を魅了した。

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