北前船フォーラム 23年秋は岡山 パリのメインイベントで発表

「第31回北前船寄港地フォーラム」で備前市観光をアピールする吉村市長(壇上左から3人目)=18日(日本時間18日午後7時46分)

 江戸、明治期の海運を担った「北前船」にちなむ「第31回北前船寄港地フォーラム」(北前船交流拡大機構主催)は2日目の18日、フランス・パリ市のルーブル美術館でメインイベントを開いた。岡山県などからの訪問団が日本の食や観光の魅力をアピールするとともに、次々回の来年9月のフォーラム開催地が岡山県になると発表された。

 日仏の自治体・経済関係者ら約250人が参加。京都の老舗料亭の料理人らが壇上に並び、村田吉弘・NPO法人日本料理アカデミー理事長が代表してあいさつ。フォーラム初日の日本貿易振興機構(ジェトロ)と協力したセミナーでパリの著名人に日本食を振る舞ったことを紹介し「日本文化を背負い、世界中に国内の優れた食材を広げていきたい」と述べた。

 観光・文化の発信をテーマにした参加自治体の発表では、北前船で栄えた自治体で構成する日本遺産に7月、備前市が追加認定されたと吉村武司市長が報告した上で「インバウンド(訪日客)を見据え、観光資源を活用しながら集客を図る」と強調。瀬戸内市の武久顕也市長は、市が所有する国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛=さんちょうもう)」に触れ「多くの方に訪れてもらえるようPRに力を入れる」と話した。

 最後に次回(来年2月)の沖縄県に続く9月のフォーラムを、岡山県で開催することを岡山商工会議所の松田久会頭が発表し「今後内容を検討していく。ぜひ来場してほしい」と呼びかけた。

 19、20日はまちづくりの先進地として知られるストラスブール市の視察や日仏自治体首長交流会・会議などがあり、22日に帰国する予定。

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