西日本豪雨教訓 備えの大切さ訴え 倉敷・真備の住民ら 広島で討論

西日本豪雨の教訓を基に、防災対策を話し合う倉敷市真備町地区の住民ら

 2018年の西日本豪雨による甚大な被害を経験した倉敷市真備町地区の住民団体代表らが19日、広島市内で開かれた地域の防災力強化や意識向上を考える催しに参加。豪雨の教訓を基に、万一の事態に向けた備えの大切さを訴えた。

 香川大の磯打千雅子特命准教授(地域防災)をコーディネーターに、まちづくりや福祉、医療に携わる真備町地区の住民5人と国土交通省高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所の濱田靖彦所長が討論した。

 利用者が自宅で亡くなったという小規模多機能ホーム「ぶどうの家真備」の津田由起子代表は、高齢者や障害者の個別避難計画(マイ・タイムライン)をテーマに話した。作成には本人や家族、地域、事業者の連携が欠かせないと指摘して「近所の人と顔見知りになれるような話し合いの場を持つことが必要」とした。

 避難時の持ち出し品の啓発などに努めている住民グループ「川辺復興プロジェクトあるく」の槙原聡美代表は「避難先で緊張してご飯が食べられない子がいても菓子やジュースがあれば安心できる。各自で心のお守りになる物を持つことが大切」と提言した。

 ほかに高齢者や障害者の通院、買い物に車を使う「移動支援」、居場所作り、防災学習会といった被災後の取り組み紹介もあった。

 産学官でつくる中国地方防災研究会(広島市)などが主催し、約150人が聴講した。

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