「矢掛のまちづくり 米国へ紹介」 岡山大大学院留学生、研究に意欲

ナタリー・モンテシノさん

 「ホームステイなどで実際に生活しながら矢掛の町を肌身で知りたい」。取得が最難関とされる米フルブライト奨学生として10月から岡山大大学院に留学しているナタリー・モンテシノさん(22)。岡山市から岡山県矢掛町へ月数回通い、持続可能なまちづくりに向け観光地化を進める一方、歴史を大切にする住民や町の取り組みを探る。

 コロラド州の州都デンバー出身。同州立大で日本とフランスの地方都市のまちづくりについて研究し、5月に卒業した。2021年夏には、世界の主要言語や文化を学ぶため米国務省が選抜する奨学金プログラムに、米トップクラスの学生として岡山大に派遣され、体験学習や座学を行った。

 新型コロナウイルス禍でオンラインとなったが、体験学習先の一つ矢掛高(矢掛)の生徒と対話したことや、同町が人口減少の続く中で、存続に歴史や文化を生かしていることを知り、興味を抱いた。

 「米国も人口減少社会に突入している」といい、地方都市の少子高齢化が進む中で、どう対処するのかが課題となっており「矢掛での研究や県内の事例をまとめ、米国で紹介したい」と意気込む。

 日本語だけでなく、仏語も堪能。9月中旬に来岡して以降、既に数回矢掛に足を運んだ。「人も町も温かい」と、これからの研究を楽しみにしている。

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