【しぶマリ図鑑】アカモンガラ 立派な犬歯、ドラキュラと呼ばれ

アカモンガラ

 黄色や水色などカラフルな魚が泳ぐ南の海の水槽で、名前につられて赤い体を持つ魚を探してはいけない。目印は、口を閉じていても“チラ見え”してしまう立派な犬歯。この歯が赤いことから名付けられたという説がある。「魚のドラキュラ」とも呼ばれる。

 実際の体色は、角度によって紫に見えたり、深緑に見えたり。口先から胸びれにかけて三角形に黄色のゾーンがあり、背びれにはうっすらと青い線が走り、立派な尻びれには深い切り込みが入り…と「かなりおしゃれ」(源愛実飼育員)だ。

 気性が荒いことで知られるモンガラカワハギ科の仲間。アカモンガラも、繁殖期になると他の個体を追い回すなど攻撃的な一面を見せるという。小さな甲殻類やオキアミなどの動物プランクトンを主食とし、国内では小笠原諸島などに生息する。

 しぶマリでは3匹を飼育する。個性的な見た目と合わせて、優雅な泳ぎにも注目。ひらり、ひらりと背びれ、尻びれを波打たせ、元気に動き回る姿を探してみよう。

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 岡山県内唯一の水族館、玉野海洋博物館(愛称・渋川マリン水族館=しぶマリ)で飼育展示している生き物を紹介する。

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