3年ぶり「唐子踊」 異国情緒漂う 瀬戸内・牛窓の疫神社に奉納

異国情緒漂う「唐子踊」を披露する児童

 江戸時代の外交使節・朝鮮通信使の寄港先だった瀬戸内市牛窓町地区に伝わる「唐子踊(からこおどり)」(岡山県重要無形民俗文化財)が23日、地元の疫(やく)神社(同市牛窓町牛窓)に奉納された。新型コロナウイルス禍による中止を経て3年ぶりの開催で、鮮やかな衣装に身を包んだ地元児童2人が異国情緒漂う稚児舞を披露した。

 踊り手は市立牛窓東小の5年藤井竣大君(11)、4年桜田雄士君(9)。朱色地の上着に水色のズボン、とんがり帽子といういでたちで登場し「コンネン ハジメテ ニホンヘワタリ…」と厳かに口上を述べた後、笛や太鼓、お囃子(はやし)に合わせ、くるりと身を翻す動きを交えながら軽やかに舞った。

 夫と訪れた岡山市北区の主婦(51)は「初めて見て、きらびやかな衣装とかわいらしい踊りに感動した。受け継がれてきた牛窓の歴史を感じた」と話した。

 この日は疫神社の本社・牛窓神社(瀬戸内市牛窓町牛窓)の秋祭りで、船首に竜や麒麟(きりん)の彫刻を施した船形だんじり4基(県重要有形民俗文化財)が巡行した。御霊(ごりょう)社(同所)で、児童が斬り合いを演じる「太刀踊」(県重要無形民俗文化財)の奉納は中止となった。

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