西九州新幹線開業1カ月 利用者19万8000人 JR九州社長「効果あり順調」

 JR九州は24日、西九州新幹線(武雄温泉-長崎)開業後1カ月間の利用者が約19万8千人で、前年同期(在来線特急の諫早-長崎)の2.29倍だったと発表した。新型コロナウイルス禍前の2018年同期とほぼ同じ水準で、同社の他の中長距離区間と比べ回復率が高い。古宮洋二社長は会見で「一定の開業効果があり順調」と述べた。
 開業した9月23日から10月22日までの30日間の実績で、1日平均約6600人が利用。平均乗車率は33%だった。週別では、第1週(9月23~29日)が前年同期比約3倍と最も多く、以降はおおむね同2倍前後で推移した。
 コロナ前との比較で、九州新幹線鹿児島ルート(博多-鹿児島中央)の10月利用実績は約25%減にとどまった。これに対し西九州新幹線が同水準だったことから、古宮社長は「開業効果や(開業に合わせた観光PR)佐賀・長崎デスティネーションキャンペーンの効果が積み重なり、差が出ている」との見方を示した。
 定期券「新幹線エクセルパス」利用者は9月末時点で221人。このうち諫早-長崎が最も多い94人だった。開業前の8月末時点では、同区間の在来線特急の定期利用は144人。古宮社長は、鹿児島ルートのうち新八代-鹿児島中央の部分開業1年目も定期売り上げが伸び悩んだとして、「速さや快適さが伝わるにつれ増えていく」と予測した。
 西九州新幹線の利用促進のため、同社は25日から、インターネット限定の割引切符「おためし!私たちも、かもめ。早特7」を発売する。乗車7日前までの予約で、佐賀-長崎・浦上の指定席(乗車運賃と特急料金)が通常より1630円安い3千円になる。来年3月末乗車分までの期間限定。博多-長崎・浦上の指定席(同)を最安の3200円で購入できる「おためし!かもめネット早特7」は、今年12月末までの期間限定だったが、新発売の割引切符と統合、名称変更し期間延長する。


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