長崎県内企業“様子見”か 『西九州新幹線開業1カ月』 長崎経済研究所調査

西九州新幹線開業の影響

 十八親和銀行系シンクタンク長崎経済研究所(長崎市)が西九州新幹線開業前に県内主要企業を対象に実施したアンケート調査によると、自社の経営に開業が「プラス」効果をもたらすと回答したのは「大いに」と「多少」を合わせて51.7%に達した。ただ、良くも悪くも「影響はない」とした企業も45.6%に上った。
 調査は7月下旬から1カ月間、374社に実施し、150社から回答を得た。
 県内経済へのプラス効果(複数回答)は「観光客やビジネス客が増加」が78.0%と最も多く、「交通の利便性が向上」が42.7%で続いた。「プラスの影響はあまりない」の16.7%を大きく上回り、期待の高さが垣間見えた。

西九州新幹線開業を機に取り組んでいること

 一方、開業を機に取り組んでいること(同)は「新商品・サービスの開発」が12.0%、「市場調査・情報収集」が7.0%だったのに対し、「特にない」が78.9%で大半を占めた。今後取り組むこと(予定含む)も「特にない」が66.7%に上り、まだ“様子見”の企業が多いという実態が示された。
 同研究所の泉猛主任研究員は「交通インフラが整備され、交流人口の拡大に期待する声は大きい。ただ、円安や物価高騰など足元のリスクが多く、設備投資や商品開発など新たに取り組む余裕がまだないのではないか」と分析する。


© 株式会社長崎新聞社