九州高校野球 長崎県勢、海星も8強入り 東海大熊本星翔に4-3

【1回戦、海星―東海大熊本星翔】4回表海星1死一塁、けん制悪送球に乗じて一気に三塁を陥れた平尾=コザしんきんスタジアム

 第151回九州地区高校野球大会第2日は24日、沖縄県沖縄市のコザしんきんスタジアムなどで1回戦4試合が行われ、長崎県勢は第2代表の海星が東海大熊本星翔に4-3で競り勝ち、第1代表の長崎日大とそろって8強入りした。
 海星は二回2死から2死球で好機をつくり、平尾と吉田翔の連続左前適時打で2点を先行。三回2死一、二塁から田川の左前適時打で1点を加えると、3-1の四回2死三塁から田中の左前適時打で再び点差を広げた。
 投げては左の吉田翔と右の髙野が粘投。吉田翔は二回に打球が左腕を直撃したが、6回0/3を3失点でまとめた。七回無死一、三塁のピンチで登板した髙野は、後続を併殺に打ち取り、3回1安打無失点と好救援した。
 このほか、西日本短大付(福岡)は鹿屋中央(鹿児島)を6-5で退け、沖縄尚学は鳥栖(佐賀)に8-2で快勝。明豊(大分)は高鍋(宮崎)を2-0で下した。1回戦を終えて、福岡、長崎、大分、沖縄各県2校が準々決勝へ進んだ。
 25日は休養日。第3日は26日、準々決勝4試合を実施。長崎日大は同スタジアムの第1試合(10時)で日本ウェルネス(沖縄)と、海星は名護市のタピックスタジアム名護の第2試合(13時)で西日本短大付と対戦する。

◎平尾 貴重な先制打 誕生日に復調の兆し

 くすぶってきたバットが17歳の誕生日に復調の兆しを見せた。昨季からレギュラー入りしている海星の平尾が二回に先制打を放つと、四回には果敢な走塁から勝負を分けた4点目のホームも踏んだ。「チームに勢いを持ってきたかった。(凡退した)第3、4打席を含めると60点くらいだけど、うれしい」。2年連続8強に安堵(あんど)感を漂わせた。
 8番打者だが、本来はそこにとどまる選手ではない。今夏の甲子園も3試合連続出場して3安打。ただ、副主将を任された今季は苦しんできた。県大会は中軸で11打数1安打と沈黙。準決勝は代打を出されて決勝はスタメン落ち。「悔しくて、情けなかった」
 迎えたこの日。「もう一回、仕事を見直した。自分が引っ張る」。その言葉通りに、2死一、二塁で立った第1打席。ファーストストライクの高めの直球を迷わず振り抜くと、打球は左前で弾み、一気に流れを呼んだ。四回には一塁走者でけん制悪送球を誘って三塁まで陥れ、追加点を演出した。
 この奮闘に負けじと、同じく昨季から主力だった主将の田川は2安打1打点、甲子園でスーパープレーを見せた二塁峯も鉄壁の守備を披露。活躍すべき選手が結果を出した一戦に、加藤監督も「発展途上の今のチームの力ではベストなゲーム」とうなずいた。
 準々決勝の相手は福岡王者の西日本短大付。平尾は「きょう出たミスを反省し、しっかりといい準備をする」とさらなる飛躍を誓っていた。


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