長崎市の新文化施設 概算建設費さらに増加 66億~69億円見込み

 長崎市庁舎移転後の跡地(桜町)に建設予定の新たな文化施設について、市は27日の市文化振興審議会で、概算建設費用を66億~69億円程度と見込んでいると明らかにした。建築単価の高騰が原因で、直近で想定していた約60億円をさらに上回る規模となる。
 同審議会は、有識者や文化団体の関係者らで構成。同日は基本計画の素案について審議した。素案によると新施設の延べ床面積は7500~7800平方メートルと想定。延べ床面積と近年整備された類似施設を参考に、建設費の概算額を66億~69億円程度と算出した。
 市は当初、建設費を約30億円と見込んでいたが、その後、建設費高騰などの影響でほぼ倍の約60億円に膨らむと試算されていた。基本計画の提案や助言を担うコンサルティング会社「シアターワークショップ」(東京)の伊東正示社長は同審議会で「今、建築単価がものすごい勢いで高騰している。正式な費用は設計が終わった段階で積算されるが、これより安くなることはなさそうだ」と述べた。
 このほか、市は素案で、小規模の公演などができるリハーサル室を「創作・イベントルーム」、練習室とミーティング室を「創作活動室」とし、市民が広く使えるよう用途を限定しない名称にした。
 市は、今後パブリックコメントを募り、本年度中に基本計画を策定する方針。完成は2026年度以降の予定。


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