車いすバスケ、強豪兵庫に惜敗 一進一退の大迫力ゲーム【動画】 いちご一会とちぎ大会(障スポ)

車いすバスケットボール 1回戦第2クオーター2分、本県の高松(右から2人目)がシュートをブロックする=小山市の県南体育館

 第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」(障スポ)は29日、宇都宮市の日環アリーナ栃木ほかで各競技を行った。

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 コートに降り注ぐ万雷の拍手が、大迫力のゲームを演じた両チームの健闘をたたえた。車いすバスケットボールの本県は1回戦で兵庫に48-56と無念の敗退。「結果を残せず申し訳ない」。選手たちは唇をかんだが、優勝候補相手に最後まで食らい付いた勇姿で地元代表のプライドを示した。

 本県は県内唯一のチーム「栃木レイカーズ」で編成。いきなりのヤマ場となった一戦は、大塚弘之(おおつかひろゆき)監督(鹿沼)の「守備から得点につなげる」というプラン通り、元日本代表の増渕倫巳(ますぶちともみ)(宇都宮)、二階堂敬(にかいどうけい)(小山)を中心に華麗なマークの受け渡しで相手の行く手を阻んだ。堅守からの好連係で増渕を中心に得点を重ね、リードが入れ替わるシーソーゲームで前半を21-25と理想的な形で折り返した。

 だが第3クオーターから失速。日本代表かつ障害の程度が比較的軽いハイポインター同士のマッチアップに苦戦した高松義伸(たかまつよしのぶ)(同)のシュートは「しっかり対策されて対抗できなかった」とリングに嫌われた。リバウンド争いでも圧倒された。

 だが、レイカーズの辞書に「諦める」という言葉はない。ベテラン増渕、途中出場の永島幸介(ながしまこうすけ)(栃木)らが奮起。最後は増渕が3点プレーを含む連続ゴールと気を吐いた。

 高松が「世界選手権以上にこだわってきた」という今大会。選手たちは競技の激しさ、興奮を地元で存分に披露したが、本県の競技力向上を考えると選手層はまだ薄い。「もっと強くして、次世代につなげたい」。増渕の言葉がチームの思いを代弁していた。

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