棟方志功との縁生かした連携宣言 倉敷で5自治体首長らサミット

棟方志功との縁を生かしたまちづくりで意見を交わす参加者

 板画家・棟方志功(1903~75年)にゆかりがある倉敷市など全国5自治体の首長らによる「棟方志功サミットin倉敷」が30日、同市本町の倉敷公民館で開かれ、「世界のムナカタ」との縁を生かしたまちづくりについて意見を交わした。

 棟方を熱心に支援した実業家・大原總一郎がいた倉敷市、疎開で滞在した富山県南砺市、出身地の青森市、創作拠点にした東京都中野区、晩年を過ごした同杉並区の首長や代理人が出席した。

 倉敷市の伊東香織市長は總一郎が度々仕事を発注し、現在まで多くの作品が地域で受け継がれていることを踏まえ「倉敷は棟方と大原家が信頼を結んだ地」とアピール。南砺市の田中幹夫市長は祭りや法要といった棟方にちなんだ催しが活発に行われていると説明し「今回で5回目となるサミットの影響で市民の活動が広がりつつある」と述べた。

 最後に観光や地域活性化に連携して取り組むとする共同宣言を発表し、締めくくった。

 總一郎の長男で大原美術館名誉館長の大原謙一郎さんと、棟方の孫で棟方志功研究家の石井頼子さんによる対談もあり、荒々しさと穏やかさが共存する棟方作品の魅力を巡って考察を深めた。

 サミットは2016年の青森市を皮切りに各市区持ち回りで開催し、倉敷では初めて。

© 株式会社山陽新聞社