春の高校バレー県予選特集 バレーボール女子(2) 勢いのある1、2年生チームで新たな歴史をつくる大分西 【大分県】

新興勢力として名乗りを挙げたのが大分西だ。2月の県高校新人大会で初めて4強入りすると、6月の県高校総体では3位と結果を残した。その後、3年生が全員引退して新チームとなったが、1、2年生チーム主体のフレッシュバレーボール大会で優勝。勢いは止まらない。

チームの核となるのが、1年生の頃から主力として試合に出るエースの浅井和佳(2年)とセッターの神田詩歩(同)。最上級生となり安定感が増し、リーダーとしての自覚が芽生え、チームを引っ張る。神田英臣監督は「浅井は他校から確実にマークされるが、(パスを)託せば必ず何とかしてくれる。この夏にパワーアップして、スパイクが重くなった。神田は感覚に頼ることが多かったが、1試合を通して試合を組み立てることができるようになった」と信頼を寄せる。

2人の活躍に刺激を受けた伊藤結乃(同)はブロッカーとして成長し、1年生も先発メンバーに食い込むなどチーム内で競争意識が高くなった。全体の底上げに成功したチームは、春の高校バレー県予選では、順当に勝ち上がれば準々決勝で古豪・大分商業との対戦が予想される。神田監督は「真っ向勝負すれば個の能力、馬力で勝る相手が有利となる。相手の隙を突く、考えるバレーで対抗したい」と策を練る。新興勢力と古豪の対戦は、今大会序盤の見どころとなりそうだ。

チーム全体に勢いを感じる大分西

戦力評価(10段階)

スパイク力 7

サーブレシーブ力 6

レシーブ力 6

サーブ力 7

ブロック力 6

セッターのトスワーク 9

安定感が増したセッターの神田が思い通りのトスワークができれば、チームは勢いを増す。エース浅井とは国体のビーチバレーでペアを組むなど、阿吽(あうん)の呼吸で得点を生み出すことができる。ミドルの伊藤の速攻、1年生の三ケ尻紗矢や河野好花のサイド攻撃も織り交ぜれば攻撃の幅は広がりそう。

1、2年生チームのため、他のシード校に比べて経験値は少ないが、その分伸びしろは多い。プレッシャーのかかる試合を重ねて勝ち上がれば、これまで以上の勢いがつきそう。神田監督は「気負いはない。いつものように楽しんでバレーをしてほしい」と選手に伝えている。

伊藤結乃の成長がチームの底上げを促した

(柚野真也)

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