岡山市文化奨励賞の受賞2人発表 学術は福田氏、芸術には柾木氏

(左から)福田宏氏、柾木和敬氏

 岡山市は1日、2022年度市文化奨励賞を発表した。学術部門は岡山大学術研究院准教授の福田宏氏(57)=同市北区、芸術部門はテノール歌手で声楽家の柾木和敬氏(53)=同=を選んだ。表彰式は16日に市役所で行う。

 福田氏は50年以上にわたり貝類の分類を続け、これまでに46種類の新種を命名。貝類は移動能力に乏しく、自然環境との関係が密接であることに着目した研究などで多数の受賞歴を持つ。研究成果を活用した生物多様性の保全に向けた観点は、SDGs(持続可能な開発目標)の一環としても重視されている。

 柾木氏は、国立音楽大卒業後にヨーロッパに渡ってオペラデビューを果たし、各国で公演に出演。プロテノール歌手として活躍する。ルネスホール(岡山市北区内山下)でオペラ研修事業を立ち上げて専門的な発声法や歌唱法などを指導し、地域文化の向上と後進の育成にも当たっている。

 岡山市文化奨励賞は1974年度に創設。市の文化向上に貢献した個人や団体が対象で、受賞者は今回を含めて学術部門は43人・7団体、芸術部門は43人・4団体となった。

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