雪辱の小浜路「いい報告できる」 男子優勝の瓊浦 長崎県高校駅伝

男子第3中継所、瓊浦の3区志田(右)が首位で4区松尾へたすきをつなぐ=南島原市内

 4校のV争いとなった男子は、瓊浦が7年ぶりに制して都大路行きを決めた。区間賞獲得者は1人だけだったが、他の6人も堅実にリレー。レース中盤で首位に立った後、1分に満たない貯金を最後まで守った。ゴールテープを切った7区東は「駅伝練習の成果が出た」と会心のレース運びに胸を張った。
 中でも3年生2人が冷静だった。主将の1区出口は区間賞こそ譲ったが、優勝候補の松浦と鎮西学院に先着。3区志田はトップに追いついた後に慌てず並走、残り2キロからのスピードアップで首位固めに成功した。
 2年前の大会。瓊浦はレース中に交通事故に遭い、途中棄権を余儀なくされた。現3年生の出口と志田は当時の無念を知る。出口は「先輩たちのつらい顔を見ることができなかった。だから自分たちが頑張らないといけないと思った」。雪辱の小浜路を最高の形で飾り「いい報告ができる。きっとみんな喜んでくれる」と感慨深げだった。
 出口が「うちは明るさが取りえ」と言うように、気さくな山川監督の下で伸び伸びと力をつけているのが瓊浦の魅力だ。その恩師はレース運営のため歓喜の瞬間に立ち会えなかったが、喜ぶ教え子たちを遠目に眺めながら「きょうの朝、優勝しようなってみんなと確認した。だから、やってくれると信じていた」と静かに喜んでいた。

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