「海や川を汚すのを知ってしまった。変えないと」クリーニング店が切り替えた“やさしい洗剤”とは【SDGs】

環境省によりますと一世帯あたり1日に出す洗濯排水はおよそ70リットルにものぼり、海を汚す原因のひとつといわれています。そんな現状に危機感を覚えた静岡県内のクリーニング店がある取り組みを始めました。

静岡市のピュアクリーニングです。静岡県内外に81店舗展開するクリーニング専門店が2年前から水を守るために始めたことが…。

<ホワイトウイングス 松浦卓常務>

「こちらが環境にも地球にもストレスフリーな海を守る洗剤です」

その名もズバリ「海をまもる洗剤」。全ての工場で使っています。そのきっかけは?

<ホワイトウイングス 松浦卓常務>

「洗剤の開発者から『君たちクリーニング店さんなんだ、お客さんからお金いただいて海を汚してるんだ』とすごく言われまして。実は海や川を汚しているのを知ってしまったから、これは変えないといけないと」

では、この洗剤、どうやって海を守るのでしょうか。一般的な洗剤などと比べる実験をしてみました。

<瀬崎一燿キャスター>

「市販されている洗剤ですね。あ〜汚れが広がっていくって感じですね。サラダ油。くっついてくる感じがします」

そして、海を守る洗剤。

<瀬崎キャスター>

「海をまもる洗剤。あ、すごいですね。分解していくという。全然違いますね。ほとんど濃い色はなくなりました」

一般的な洗剤とサラダ油は汚れが塊になって残っていますが、海をまもる洗剤はほぼ分解されています。

<ホワイトウイングス 松浦卓常務>

「汚れっていうのは最終的に下水処理場に行っても微生物が分解してるんですよ。微生物が分解できるような状態にしないと本当はいけないんですけど」

一般的な洗剤は、汚れを剥がすというイメージです。そのため、汚れが塊のまま海に流れてしまいます。一方、海をまもる洗剤は、独自の技術で汚れを細かくします。これを微生物が食べることで二酸化炭素と水に変え、海に流れる汚れを大幅に減らすことに繋がります。

ピュアクリーニングでは、洗剤を変えたことで1年弱で1億7000万リットルもの水を汚さずに済んだということです。気になる成分はヤシ油など100%植物由来、まさに自然にやさしい洗剤です。

この洗剤は店でも販売しています。量り売りをすることで廃プラスチックを減らすことができました。

<ホワイトウイングス 松浦卓常務>

「水を汚しているのは人間だけなんですよね。人間が地球の害であって水を汚さないってことはすごい大事で。未来の子どもたちのためにやっぱり水ってきれいにしないといけないよと」

海や水を守るために、一人一人が少しずつできる行動を起こすことで大きな変化をもたらすことができます。

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