岡山県は4日、倉敷市の養鶏場の鶏から検出された県内で今季2例目となる鳥インフルエンザウイルスについて、遺伝子検査の結果、高病原性が疑われるH5亜型だったと発表した。県は家畜伝染病予防法に基づき、養鶏場が飼育する採卵鶏約51万羽の殺処分を始めた。
同市内では10月下旬、この養鶏場から約4キロ離れた別の養鶏場で今季国内初の鳥インフルが確認された。県は双方に人や物資の出入りがないことなどから関連性は低いとみている。同日、農林水産省の疫学調査チームが現地入りし、感染ルートの解明を進める。
県によると、殺処分は午前8時から県職員らが作業に当たっており、陸上自衛隊日本原駐屯地(同県奈義町滝本)の隊員も駆け付けた。午後3時現在で全体の2.0%に当たる1万330羽を処分。24時間態勢で1日6万羽をめどに行う。
県はまた、この養鶏場から半径3キロ圏の2農場(約12万羽)に鶏や卵の移動制限、3~10キロ圏の6農場(約32万羽)に圏外への搬出制限をかけた。このうち大半の農場に対しては1例目の発生を受けて既に移動などを制限しており、特例措置として認めていた卵の出荷も再度禁じた。鶏などの異常は見つかっていない。
一方、県は1例目の養鶏場が飼育し、殺処分した約17万羽の焼却作業を続けた。4日午後3時の進捗(しんちょく)率は51.5%。5日からは焼却場を3カ所から1カ所に減らす予定で、終了は9日を見込む。