「朝鮮通信使」行列 華やかに再現 瀬戸内・牛窓、沿道の観衆魅了

きらびやかな衣装で港町を歩く行列

 江戸時代に朝鮮王朝が日本に送った外交使節団「朝鮮通信使」を再現した行列が6日、寄港地の一つだった瀬戸内市牛窓町地区で行われた。爽やかな秋晴れの下、日韓の学生ら約100人がきらびやかな衣装で港町を練り歩き、沿道の観衆を魅了した。

 一行は、色鮮やかなチマ・チョゴリなど異国情緒あふれるいでたちで牛窓港近くの出島公園を出発。韓国の楽器演奏や舞踊を披露しながら海沿い約3.5キロを行進した。終了後は梁起豪(ヤンギホ)・駐神戸韓国総領事と武久顕也市長が「国書」を交換し、善隣友好の精神を確認した。

 同市、会社員男性(35)は「行列はとても華やかで活気があり、1歳の長男も喜んでいた。日韓関係が良くなるきっかけになってほしい」と話していた。

 行列は、地元住民らでつくる実行委が2010年から開いている瀬戸内牛窓国際交流フェスタのメイン行事。日韓の食文化を楽しめるマルシェや、伝統芸能のステージもあった。

 通信使に関する当時の外交資料は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されている。

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