「花」勢ぞろい、境内華やぐ 津山・阿波八幡神社で祭り

阿波八幡神社の境内にそろった華やかな「花」

 阿波八幡神社(津山市阿波)で、県重要無形民俗文化財の「花祭り」が開かれた。地元8地区が手作りした華やかな傘状の「花」が3年ぶりに境内に勢ぞろいし、住民らが祭りムードに浸った。

 花は長さ2.7メートルの木の支柱先端に取り付けた竹籠に、長さ2.4メートルの細竹80本を放射状に挿し、柳や桜に見立てて色とりどりの紙で装飾。籠の上に風車や造花を付けて3日、全8基が神社に持ち込まれた。神事の後、住民や観光客が見守る境内で氏子男性らが担いで3周歩いた。

 細竹や飾りは災難よけのご利益があるとされ、参拝者に配られた。花を担ぐため帰郷した自営業男性(29)=同市=は「花が久々にそろってうれしかった。来年こそは元通りの祭りを楽しみたい」と話した。

 五穀豊穣(ほうじょう)への感謝や家内安全を願う花祭りは平安時代に起源があるとされる。新型コロナウイルス禍で2020年は中止し、21年は神事だけだった。今年は感染防止のため花をぶつけて壊し合う勇壮な練りを中止したが、花の奉納は復活した。

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