岡山城下の営み 絵図や史料で紹介 シティミュージアム企画展

江戸時代の岡山城やその周辺を詳細に描いた「備前国岡山城絵図」

 岡山藩政史料・池田家文庫などの53点を集めた企画展「岡山城と人々のくらし」が岡山市北区駅元町の岡山シティミュージアムで開かれている。岡山城を詳細に描いた絵図、その城下で生きた武家や町人の暮らしにまつわる史料を通じ、当時の人々の営みを伝えている。20日まで。

 会場では色彩豊かでスケールの大きい絵図が目を引く。江戸時代の正保期(1644~48年)に手がけられた「備前国岡山城絵図」は縦242.4センチ、横196.7センチの大作。岡山城の天守台の大きさをはじめ櫓(やぐら)や門の配置、石垣の高さも記されている。

 岡山城天守閣を東側から実測した古図は、梁(はり)や柱のほか三角屋根の「千鳥破風」、鯱(しゃちほこ)といった装飾も精密に描写。城下の武家地について詳しく記した「備前岡山地理家宅一枚図」はそれぞれの家に住む人の名前まで確認でき、来場者が往時の暮らしぶりに想像を膨らませた。

 訪れた男性(71)=中区=は「絵図と現在のまちを比べながら歩くと変化がよく分かって面白い。パソコンもない中、これほどの絵図を残した当時の技術に驚くばかり」と話した。

 大行列が城下町を練り歩く岡山藩最大の祭りを記録した「東照宮御祭礼図絵巻」(林原美術館所蔵)も特別に展示。きらびやかな笠鉾(かさぼこ)やみこしを担いだ人々を表情まで生き生きと描いている。

 池田家文庫を所蔵する岡山大付属図書館(岡山市北区津島中)と岡山シティミュージアムが共同で開催。午前10時~午後6時。月曜休館。入館料一般310円、65歳以上と大学生以下は無料。問い合わせは同ミュージアム(086―898―3000)。

© 株式会社山陽新聞社