まさに烏城 漆黒の岡山城が復活 「令和の大改修」終え新たな一歩

リニューアルオープンを迎えた岡山城。多くの家族連れらが詰め掛けた=3日午前8時43分

 約1年半にわたる「令和の大改修」を終えた岡山城(岡山市北区丸の内)が3日、リニューアルオープンした。駆けつけた大勢の市民や観光客が見守る中、黒い外観から「烏城」の名で親しまれる県都のシンボルが新たな一歩を踏み出した。

 天守閣前広場では岡山市など主催の式典が開かれた。大森雅夫市長は「実際に見れば素晴らしい城だと肌で感じてもらえるはず。隣の後楽園と一体となって岡山の観光振興に力を入れたい」とあいさつ。天守閣の展示を監修した岡山市出身の歴史学者磯田道史さん(51)は「他のモデルとなるものにしたいという志を持って奮闘し、五感で楽しめる城ができた」と述べた。

 式後は備州岡山城鉄砲隊による祝砲や岡山学芸館高和太鼓部の演奏が「開城」に花を添えた。早朝から列をつくった家族連れらは続々と天守閣に入り、城下町の成り立ちを分かりやすく伝えるプロジェクションマッピングに見入ったり、市街地の眺望を楽しんだりした。市によると、初日の天守閣には4399人が入場した。

 岡山城は戦国大名・宇喜多秀家が1597年に築いたと伝わる。1945年の岡山空襲で木造の初代天守閣は焼失し、66年に鉄筋コンクリート製で生まれ変わった。再建後初となる大規模改修は昨年6月から行われ、耐震化を施したほか、外壁を創建当時の「漆黒」に塗り直し、展示を全面刷新した。

 リニューアルを記念し、近くの石山公園では武将隊によるステージや地元グルメの販売といった催しが6日まで展開される。

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