矢掛・大名行列 華やかに再現を 13日、3年ぶりの本番へ練習

高草さん(右)らに教わり毛槍の動きを練習する出演者

 江戸時代の風情を残す岡山県矢掛町中心部で13日、往時の華やかな衣装を身に着けた一行が時代絵巻を繰り広げる「矢掛の宿場まつり大名行列」が開かれる。3年ぶりの開催に向け、主な出演者が独特の所作を確認するなど、練習が熱を帯びている。

 行列は約90人の編成。特に動きが難しい「先払」「挟箱」「毛槍(やり)」「中間(ちゅうげん)」を担当する計約30人と、指導者ら約20人が練習に励んでいる。

 2日夜は、矢掛の農村環境改善センターに集まり、足の裏を見せて踏み出したり、回転しながら立ち上がったりと1976年の開始から50年近く続けられてきた動きを練習。参加者は久々の本番とあって経験者でも細かな所作を忘れている部分があり、ベテラン経験者や指導者に聞きながら動きを合わせていた。

 毛槍は行列でも花形の一つ。5歩進むと2.5メートルの長さの毛槍を投げ交わし、回転させる。第1回から10年以上担当し、今回は指導者の自営業高草健作さん(74)は「大きく動くと堂々として見えます」などとアドバイス、今年町役場に就職し初参加の三村祐貴さん(27)は「毛槍を上手に扱って、行列を盛り上げたい」と意気込む。

 練習は8日にも行われる。堀伸二実行委員長は「国の重要伝統的建造物群保存地区に指定後、初の行列になる。参勤交代の華やかな様子を再現し成功させたい」と話している。

 大名行列は、備中西商工会などでつくる実行委が主催。午後1時に本陣通り(旧山陽道)東端の下座場を出発し、2時間かけて西に約900メートルの区間を練り歩く。問い合わせは同実行委(0866―82―0559)。

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