信長、秀吉、家康が揃い立った難攻不落の城 美浜町の国吉城、福井県の城紹介「わが町のわが城」

国吉城跡からは、織田信長らが見たであろう景色を楽しむことができる=福井県美浜町(若狭国吉城歴史資料館提供)
遊歩道にはつづら折りになっている箇所がある(同館提供)
国吉城跡(福井県美浜町)の地図

 戦国時代、朝倉氏の侵攻を撃退し続け、難攻不落の城として名をはせた国吉城(福井県美浜町)。1570年には織田信長が豊臣秀吉や徳川家康らを率いて入城し、朝倉氏攻めに向かった歴史的な場所でもある。

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 国吉城のあった城山(標高約197メートル)は戦国時代、若狭と越前の国境に位置。現代のように高い木はほとんど生えておらず、山頂部は展望が開けて敵の動向を監視しやすく、山肌は急峻。天然の要害であり、少人数でも守りやすかった。1563年から73年まで毎年のように朝倉氏の侵攻を受けたが、城主の粟屋勝久は近隣の地侍らとともに城に立てこもって抵抗し、ことごとく撃退した。

 城跡へは、若狭国吉城歴史資料館の近くから続く遊歩道を利用するといい。道中、つづら折りになっている箇所もあり、資料館の大野康弘館長は「いかに難攻不落の城だったかを体感できる」と話した。40分ほどで城跡に着くと、若狭湾からの海風が気持ちいい。一般社団法人「佐柿国吉100年プラン推進委員会」代表理事の小畑陽一さんは「信長、秀吉、家康の三英傑が見た景色を楽しんで」と呼び掛けた。

 年間約1万人が訪れる町の観光スポットでもあり、推進委は今後住民による観光ガイドを計画している。来年のNHK大河ドラマの主人公は家康。小畑さんは「さらに注目されると思うので、全国へ魅力を発信していきたい」と力を込めた。

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国吉城

 1556年に若狭国守護武田氏の重臣だった粟屋勝久が築いた。1583年に豊臣秀吉の家臣の木村常陸介定光が城主となると、城の改修と城下町の整備を行った。

佐柿国吉100年プラン推進委員会

 国吉城のある美浜町佐柿の住民らが今年2月に立ち上げた。

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