【ねんりんピック】新種目の魅力伝える達人 スポーツチャンバラ横浜市代表・田村さん

ねんりんピックの新種目スポーツチャンバラに横浜市代表として出場する田村勝家さん=同市神奈川区の市立青木小体育館

 12日に神奈川県内で開幕する60歳以上が中心のスポーツ・文化の祭典「ねんりんピック」で新種目として採用されたスポーツチャンバラ。半世紀にわたりこの道を究め、世界チャンピオンを含むあまたの後進を育ててきた達人・田村勝家(かつや)さん(77)が横浜市代表として出場する。選手として試合に臨むのは久しぶりだが、「礼儀を重んじる競技の魅力を伝え、好成績を目指したい」。エントリーしているまな弟子たちとの対戦も楽しみにしている。

 県協会の会長でもある田村さんがスポーツチャンバラと巡り合ったのは20代の頃。創始者で日本協会会長の田邊哲人さん(80)に剣道の腕を見込まれ、スカウトされた。

 「どこを打っても一本が取れ、構えや形は自由。それだけに隙が許されず、奥が深い」と田村さん。すぐに頭角を現し、県大会や全国大会で優勝した。

 空気を入れたゴム製の剣を使うため、打たれても痛くない。「安全に楽しめて健康にいい。ストレス解消にもなる」と魅力を語る。自宅に近く、母校でもある同市神奈川区の市立青木小学校体育館を拠点に子どもからシニアまで幅広く指導し、競技の普及に力を注ぐ日々だ。

 大切にしているのが礼儀作法と継続性。稽古では体育館に入る際の一礼に始まり、終了時の「ありがとうございました」のあいさつまで、常に感謝と敬意を忘れないよう指導している。 座右の銘は「継続は力なり」で、一つのことを極める姿勢も説く。「スポーツチャンバラは武道であり、強いだけでは駄目。気剣体の一致を追求している」

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