倉敷3例目鳥インフルはH5亜型 岡山県、3万4千羽処分開始

岡山県内3例目の鳥インフルエンザが発生した養鶏場で始まった殺処分の作業=11日(県提供)

 岡山県は11日、倉敷市の養鶏場の鶏から検出された県内で今季3例目となる鳥インフルエンザウイルスについて、遺伝子検査の結果、高病原性が疑われるH5亜型だったと発表した。県は家畜伝染病予防法に基づき、採卵鶏約3万4千羽の殺処分を始めた。12日夜の終了を目指す。

 倉敷市では10月27日に約4キロ北にある別の養鶏場で国内今季初となる1例目、11月3日に約300メートル北東で2例目が確認された。県によると、それぞれの養鶏場の間に人や物資の出入りはないという。農林水産省の疫学調査チームが感染ルートの解明を進めている。

 県は既に、2例目の養鶏場から半径3キロ圏の農場に鶏の移動を制限、3~10キロ圏の農場には圏外への搬出を制限しており、陽性判明を受け、改めて両制限をかけた。卵については制限後、国の防疫指針に基づく特例措置が適用されて出荷を再開している。

 10キロ圏内には鳥インフルが確認された3カ所を除いて6農場があり、計約40万羽が飼育されているが、いずれも現時点で鶏に異常は見つかっていないという。

 殺処分は午前7時から開始し、午後3時現在で全体の15.6%に当たる5320羽を処理した。県はこれまでに1例目の養鶏場で約17万羽の殺処分を完了。2例目の約51万羽については11日午後3時現在の進捗(しんちょく)率が97.4%(49万6976羽)となっている。

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