免許返納者に「感謝の証」 高齢者の安全運転たたえ 早岐署、贈呈100人突破

藤田交通課長から「感謝の証」を受け取る林さん(右)=早岐署

 「勇気ある返納をありがとうございます。これからは健康に気をつけて、笑顔でいてくださいね」。長崎県佐世保市の早岐署は、運転免許を返納した高齢者に、長年の安全運転などをたたえて「感謝の証」を贈っている。4月から始め、4日で100人を突破した。
 返納後、寂しそうに帰っていく高齢者を見て、元気づけようと同署の藤田英樹交通課長が発案した。
 同市の無職、林栄一さん(74)はドライバー歴50年。運転中に交通マナーが悪い運転手を見かけると精神的な負担になっていたという。事故に遭わず、起こさないために、免許取得から50年と、75才の節目に返納を決めた。車がない生活ができるか試すために、昨年12月から運転をやめた。愛車も手放し、バスの年間定期券を購入。車に変わる“足”を見つけた。
 思い入れのある免許の返納は「やっぱり寂しい」。それでも、感謝の証を受け取り「まさか返納して賞状をもらえるとは。良い区切りが付いた」と林さん。笑顔で署を後にした。
 県警によると、県内で運転免許を自主返納した人は9月末時点で3600人。このうち65歳以上の高齢者は3422人。

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